エネルギー
天然ガス(LNG)
エア・ウォーター(株)では、天然ガス(LNG)を提供しております。
メタンを主成分とする天然ガスは、硫黄酸化物や煁塵はほとんど排出せず、窒素酸化物、二酸化炭素の排出も化石燃料に比べて少量なことから、次世代エネルギーとして年々注目が集まっています。
空気より比重が軽く拡散しやすいため、爆発などの危険性が低く、一酸化炭素中毒を起こす心配も少ない安全なエネルギーでもあります。
また、石油を超える埋蔵量が確認されており、長期的に安定供給が可能です。
製品詳細
天然ガス供給イメージ
ローリー・サテライト供給
パイプラインが敷設されていない遠隔地でLNG(液化天然ガス)を利用するためには、LNGサテライト基地(貯蔵・気化送出設備)を設置し、液化天然ガスを貯蔵する必要があります。
LNGサテライト基地はLNG受入基地からの二次受入を行う供給基地であり、サテライト(衛星)のように点在して設置されることからサテライト基地と呼ばれます。
エア・ウォーターでは、お客様のご使用量・形態に応じて、貯槽容器の選定から設備レイアウトまで、最適なLNGサテライト基地のエンジニアリングサービスを提案しています。
また、エア・ウォーターは、2017年4月に北海道電力株式会社と業務提携を行い、LNG供給事業を開始しました。
北海道電力所有の石狩LNG基地におけるLNGタンクの完成を契機に、タンクローリーにLNGを積み込み、お客様の受け入れ設備へ輸送を行います。
工場エネルギーをLNGへの切り替えを検討されているお客さまを対象に、営業活動に取り組んでいます。
・LNG使用量とサテライト設備仕様表(汎用例)
CASE1 | CASE2 | CASE3 | CASE4 | CASE5 | ||
適用法規 | 高圧ガス保安法 | |||||
年間LNG使用規模(トン/年) | 8,000 | 6,000 | 4,000 | 2,000 | 1,000 | |
LNG貯槽 | 容量(KL/基) | 125 | 100 | 70 | 70 | 40 |
設置数(基) | 4(複合貯槽) | 3(複合貯槽) | 2 | 1 | 1 | |
LNG蒸発器 | 蒸発方式 | 蒸気吹込温水式 | 蒸気吹込温水式 | 蒸気吹込温水式 | 自然対流空温式 | 自然対流空温式 |
能力(トン/h) | 1.2 | 1.0 | 0.5 | 0.3 | 0.2 | |
設置数(基) | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | |
温水式の場合の必要蒸気量(トン/h) | 0.7 (蒸気:0.7 MPa) |
0.5 (蒸気:0.7 MPa) |
0.25 (蒸気:0.7 MPa) |
- | - | |
送ガス圧力(MPa) | 0.2~0.15 | |||||
備蓄量(日) | 5.0 | 5.4 | 3.8 | 3.8 | 4.3 | |
設置スペース(m × m) | 24 × 17 | 24 × 17 | 18 × 22 | 16 × 16 | 16 × 15 | |
第一種設備距離(m) | 56.7 | 44.6 | 31.7 | 24.0 | 19.8 | |
第二種設備距離(m) | 37.8 | 29.7 | 21.2 | 16.0 | 13.2 | |
火気厳禁距離(m) | 8 | |||||
酸素の設備との距離(m) | 10 |
パイプライン供給
エア・ウォーターでは、1999年に天然ガスの導管供給ビジネスをスタートしました。北海道の勇払ガス田から算出される純国産天然ガスを千歳臨空工業団地の進出企業に提供しています。
LNGの将来展望
LNGトラック
LNGトラックは、北米・豪州・中国などでは既に実用化されていますが、日本では法が未整備で、まだ開発の段階です。
経済産業省ではLNGを燃料にしたトラックの普及を後押しするため、規制緩和や外国製LNGタンクを国内のトラックにも使用できるようにするなど海外の規格受入の検討に入りました。
エア・ウォーターでは、当社の極低温技術・LNG供給機器技術が活用できる新たな事業分野として注目しています。
LNG燃料船
国際海運にかかる環境規制は、国際海事機関(IMF)において年々強化される方向にあり、硫黄分の排出の少ない天然ガスを燃料とした船舶(LNG燃料船)の導入機運が世界的に高まっています。
日本でも、日本郵船株式会社が日本初のLNG船となるLNG燃料タグボート「魁」を竣工するなど、LNG燃料船が注目され始めました。
この「魁」のLNG供給機器の開発には、エア・ウォーターグループのエア・ウォータープラントエンジニアリングが協力しています。
小規模ユーザー向けのLNG供給
現状のLNGサテライト供給は大量輸送が主で、LPG供給のように一度の輸送で複数箇所に配送するシステムは開発段階にあります。
今後LPG供給のような配送形態が確立されれば、LNGの普及が大幅に進むと考えられます。
エア・ウォーターでは、LNGローリー、LNGサテライト、LNGポンプといった当社の極低温技術や、産業ガスで培った液化ガスの物流ノウハウを活用して、本システムの確立に注力します。
その他
エア・ウォーターは、LNGコンテナ・LNGサテライト・LNG供給等、多くのLNG事業に携わってきました。
経験した事業のノウハウを活かし、離島発電向けのLNGコンテナの活用、海外途上国でのLNG利用のインフラ開発等、これまでと異なった分野でのLNG事業の検討を進めています。
>>>LNGの特徴
LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)
●天然に産出する化石燃料で、メタン(CH4)を主成分とする可燃性ガス
●熱量:54.6MJ/kg、ガス密度:約0.83kg/Nm3、液密度:約0.46kg/L
●液化温度:約-162℃、主に産地で液化され体積を約1/500 として効率よく輸送後、需要先で気化消費される
●化石燃料の中で最もCO2等の発生量が少なく、エネルギー効率が高いためクリーンで環境に優しい
●産地が世界各地に及ぷため供給が安定しており、比較的価格変動も少ない
クリーンエネルギー
天然ガスは燃料中に硫黄分をほとんど含まないため、燃焼時に硫黄酸化物(SOx)や煤じんが発生しません。また、窒素酸化物(NOx)や昨今話題のCO2の発生も、石油や石炭と同熱量で比較して少量であることが実証されています。天然ガスは、地球環境にやさしいクリーンエネルギーと言えます。
LNGの燃料特性(総発熱豆)
LNG(天然ガス) | 54.6 MJ/kg |
LPG | 50.8 MJ/kg |
灯油 | 36.7 MJ/L |
A重油 | 39.1 MJ/L |
石炭 | 29 MJ/kg |
LNGの環境特性(排出量)
※同熱量比較
安全性
天然ガスはメタンを主成分とした可燃性のガスです。空気と比べても比重が約0.67と軽く、拡散すると共に燃焼範囲が狭くなる特徴を持ちます。
爆発等の危険性がほとんど無く、一酸化炭素中毒を起こす心配も少ない安全性に優れたエネルギーです。
ガスの種類 | 発熱量(MJ/N㎡) | 比重(空気=1) | 燃焼範囲(空気との混合割合) | 主成分 |
都市ガス (天然ガス 12A・13A) |
45.6 | 0.67 | 5 ~ 15% | メタン |
都市ガス (4A ~ 7C) |
20.1 | 0.5 ~ 1.2 | 5 ~ 20% | 水素、メタン、ブタン、一酸化炭素等 |
天然ガスは世界規模で開発・算出されており、日本へは液化して輸入されています。
天然ガスの可採埋蔵量は石油を超えることが確認されておリ、長期的に安定供給が可能です。
また、天然ガスは国内でも産出されており、苫小牧勇払は国内最大級の埋蔵量を誇ります。
順位 | 国名 | 数量(万トン) |
1 | オーストラリア | 1862 |
2 | マレーシア | 1557 |
3 | カタール | 1464 |
4 | ロシア | 757 |
5 | インドネシア | 585 |
6 | アラブ首長国連邦 | 544 |
7 | ナイジェリア | 462 |
8 | ブルネイ | 423 |
9 | パプアニューギニア | 406 |
10 | オマーン | 226 |
2015年 日本の液化天然ガス輸入量 合計:8504万t